「団鬼六 女美容師縄飼育」  2005/06/19

 麻吹淳子演じるヒロインがSの男と知り合い、調教されていくのですが、この男を慕うもう一人のM女(志麻いづみ)との間で三角関係が生じます。ライバル関係に陥った二人の女は、ご主人様の気持ちを自分に向かせるため、自分から積極的にMになっていきます。

「花と蛇」のように、暴力・恐喝のプロによってヒロインが屈服させられるという特殊な設定ではなく、かなり日常的と言いますか、メロドラマ的な設定になっています。

 クライマックスは、ご主人様が不在の時に二人の女の間で行われる「M女合戦」です。「どちらがより厳しい責めに耐えられるか?」を競うため、互いに責めあうこのシーンは、とても倒錯的でエロティックです。
 憎い恋敵同士でありながら、SとM同時進行のプレイパートナーとなっていく二人のM女。だが、その時ご主人様は……

 ヒロインが決して極限的な屈服状況には置かれていないので「ぬるい」と感じられる人もいるかもしれません。
 しかし個人的にはなかなか面白いSMものだと思いました。
 SMがひとつの「男女のプレイ」として日常的に取り入れられているというのが、逆に今日的な印象も受けますし、何より「M女同士の相互調教」というのが、中々そそられる作品です。

 ただ、パッケージの麻吹淳子さんの写真は、ちょっとキツいものがあります。公開当時のポスターの写真だったのでしょうか? もう少し良い写真がありそうなものですが。

 共演の志麻いづみさんはSM映画の名脇役で、日本的なM顔とでも言いますか、とてもM役が嵌る女優さんです。
 彼女には他にも印象的な作品があります。それはまた回を改めて書いてみようと思います。

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