「箱の中の女」 2005/08/19
アメリカで実際に起きた誘拐監禁事件(キャメロン・フッカー事件)を題材にした映画です。
一組の夫婦が二十歳の女性を誘拐し「性奴隷」として長期に渡り監禁していたというもので、刮目すべきは犯人が女性を拘束するための特製の「箱」をあつらえていたという点です。この「箱」が、この映画でも最重要のモチーフになっています。
さらに実際の事件で被害女性は一種のマインドコントロール下に置かれ、一旦自由の身になりながら自分の意志で戻ったりし、世間の理解を超える事件であったようで、この辺りの展開も「箱の中の女」では描かれています。
ただし、あくまでポルノ映画(監督は「奴隷契約書」の小沼勝)であり、所々マンガ的とも言えるほどの誇張表現も見られ、被害者の女の子が奴隷の立場を受け入れるようになるのも彼女自身のM性が開花したというSMものにお馴染みの動機として描かれます。
そのため「陰惨な事件の実録もの」というよりはファンタジーとして普通に見られる映画であり、その辺り、実録のハードさを求めてこの映画を観る人は肩透かしを食うかもしれません。
その一方、セックスや調教の個々のシーンの撮り方は、かなりAV的な生々しいものになっていて、それ以外のシーンとどことなくミスマッチで、なんとも奇妙な雰囲気が漂っています。1985年のにっかつロマンポルノ末期の作品(ロマンXという新路線)でもあり、AVに取って替わられる過渡期的な作品だったのでしょう。
犯人の妻役の女優さんが撮影途中で逃げ出したという逸話があるほどで、それまでのロマンポルノとは違い「映画女優」にはキツい撮影だったのかもしれません。
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